Blogs

2025.03.03

無線式デジタル水準器の海外電波認証について

 今回は海外の電波法について紹介したいと思います。昨今、スマートフォンやワイヤレスイヤホン、スマートウォッチ、ゲーム機など身近にも無線機器が多くあり、皆さんもどれかを使用されていることかと思います。

 弊社でも無線式のデジタル水準器が2機種あります。一つは国内版、SELN-121BMと海外版SELN-131BMです。精度や使用感は同じなのですが、なぜ2機種あるのでしょう?それは、国ごとに電波の法律が違うからなんです!皆さんこの図1のようなマークは見たことありますか?これは総務省が出している技術基準適合認証のマークになります。いわゆる「技適」です。このマークがない無線機器を使用すると電波法違反になる場合があります。ワイヤレスイヤホンやゲーム機などで確認できると思いますので、思い出したら確認してみてください。因みにiPhoneは設定の一般⇒認証から各国の認証のロゴを確認することができます。では、なぜ各国でこのような法律が設けられているのでしょうか。総務省のHPによりますと”世界中の無線局は国際条約と各国ごとに決めた電波の法律に基づいて、使用方法が決められています。これは無線局同士の通信が混乱しないようにするためです。”とあります。つまり国によって電波法が異なるため日本で使用できても海外では使用できないんです。

図1 技適マーク

出展:総務省 電波利用ポータル 技適マークのQ&Aより

 iphoneのように設計段階から世界中で使用できるようにするためリリース前から各国の電波認証を取得していますが、弊社は、需要に応じて各国の電認証を取得していく方式を取っています。半導体装置メーカーが多いアメリカと台湾は需要が多かったので、まずは2か国の対応(図5)となりました。アメリカはFCC(Federal Communication Commission 図2)、台湾はNCC(National Communication Commission 図3)という組織が電波法を統括しており、認証されると製品にロゴや番号が表示(電子表示もあり)されます。日本では前述の通り総務省となります。

図2 FCCロゴ

図3 NCCロゴ

 無線式デジタル水準器の電波認証取得は弊社だけではできないので、認証代行業者に依頼しております。認証代行業者が各国の試験機関や組織とやり取りして、認証を取得するという流れになります。国内でサンプルの試験ができる国や現地試験が必要な国と国によって様々です。費用や納期は国によって異なり、台数や費用によっては全てのご要望に応えることができないかもしれません。まずはご相談ください。

 

                

 図4:SELN-131BM

 

  図5:電波認証取得国

 今回は、無線式デジタル水準器の海外電波認証についてご紹介いたしましたが、いかがでしたでしょうか。無線機器はこれからもさらに身近になっていくと思いますので、少しでも興味を持っていただければ幸いです。