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2025.04.04
デジタル水準器の測定環境は整っていますか?
皆さんがお住いのお家はどのようにして選びましたか? 日当たり、間取り、部屋の数や広さ、アパートやマンションであれば階数などを考えて選ぶことがあるかと思います。また、快適な生活を送るために、家具や家電を部屋に入れて生活環境を整えていくことと思います。
実は、当社のデジタル水準器も部屋の日当たりや階数を選び、測定環境を整えることで、快適…とまでは言いませんが、安定した測定ができ、データの信頼性も高まります。
では、デジタル水準器にとってどのような部屋がよいのかについてお話ししましょう。
・日当たりの少ない北向き(北側)に位置する部屋がよい
もし、皆さんが実際に住むことを考えるならば、多くの方が日当たりがよく明るい南向きを選ばれるかと思います。ですが、デジタル水準器を使用することを考えると、その反対である日当たりの少ない北向きの部屋を選びます。実は、部屋を支える柱への日の当たり方が違うと柱(鉄筋)の中に入っている鉄の棒の伸び方に違いができてしまうため、部屋が微妙に傾いてしまいます。この「微小な傾き」は人の目では分かりませんが、当社のデジタル水準器では検出できてしまうので(例えば、100m先に置いてあるものが2mm上に上がったことが分かるような感覚)、水平出しの測定に影響が出ます。北向きの部屋であれば他の向きに比べ日当たりが少ないので、測定への影響も少ないことが言えます。

・部屋の階数は1階がよい
防犯的には階数が高いほどよいのですが、デジタル水準器にとっては階数が低いほどよいのです。先程の柱の伸び方の違いについてお話ししましたが、階数でも同様のことが言えます。階数が高いほど柱が長くなり、傾きやすくなるからです。
・水平の基準となるものを準備する
デジタル水準器で何かを測定する前に、デジタル水準器のセンサの基準がずれていないかを確認することが必要です。では、基準となるものとして、どういうものを準備すればよいのでしょうか?
例えば、石定盤がその1つになるかと思います。石定盤は日本産業規格 JISB7513-1992 「精密定盤」に準拠し、その中でも等級の数字が小さいものが平らで良い石定盤ということが言えます。ただ、石定盤自身が平らになっているとはいえ、傾いているところに設置すると石の斜面をつくっていることになるので、石定盤の設置場所を含めて水平調整する必要があります。

(調整可能な置台の上に設置)

(オプション仕様)

また、当社のラインナップ製品である自動精密整準台 オートステージASW-21S (オプション仕様)も石定盤と同じような役割を担うことができます。
ASW-21Sは設置面が傾いていたとしても、銀色のステージが自動的に水平になります。そのステージの上でデジタル水準器のセンサの基準がずれていないかを確認することができます。
もう1つ、石定盤よりも便利なところがあります。石定盤は重量が大きいため、持ち運びは難しいのですが、ASW-21Sは石定盤に比べ軽量なので、場所を選ぶことなく水平の基準をとることができます。
デジタル水準器のお部屋選びや測定環境を整えることについてお話ししてきましたが、いかがだったでしょうか?
測定の環境についてお悩みの方、もしかしたらその悩みを解消できるかもしれませんので、試してみてくださいね。