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2024.09.18
MEMSと気泡式デジタル水準器
水準器とは、水準を計測するツールで、水平に対する微小な傾きを検知するセンサです。微小な重力加速度を検出することから加速度センサの一種といえますが、加速度センサには原理上いくつかのタイプが有ります。
弊社のセンサは、気泡式デジタル水準器と呼ばれ、液体の中に気泡が入っている構造をしています。一方で、世の中にはジンバル式・レーザー式・静電容量方式・MEMS式などありますが、今回は当社の気泡式デジタル水準器と同様に小型で軽いと言われるMEMS式との違いについて説明したいと思います。
【MEMS方式】
MEMSというのはMicro Electro Mechanical Systemsの略で、一つのシリコン基板などの上に電子回路だけではなく、センサやアクチュエータなどの機械的要素もまとめて形成したものです。加工には半導体のプロセス技術を流用しているので大変微細に機械要素を作ることができ、同時に電子回路も形成できるため、一つの完結したシステムを小さく作ることができます。
MEMSで市販されているものとしては、温度センサ、圧力センサ、加速度センサ、ジャイロスコープ、などのセンサがありますが、水準器として使用されるものは、加速度センサになります。このMEMSセンサの特徴としては下記となります。
<長所>
微小なサイズ、軽量、低コスト(量産性)、低消費電力、高応答性
<短所>
高コスト(開発コスト)、高精度化が難しい、温度特性の取扱いが難しい
一方、弊社の気泡式デジタル水準器は、ガラス管の中に液体と気泡が入った構造をしています。ガラス管の中にピンが立っており、気泡の位置を電気的に検出し、従来のアナログ気泡式センサをデジタル化したものです。特徴としては下記となります。
<長所>
高精度、微細な水平が検出できます
<短所>
MEMSと比較して大きい、重い、測定範囲が狭い
となります。以上をふまえいずれかの方式を選ぶとすれば
小型の水準器として比較した場合は、
・精度が求められる場合 ⇒ 気泡式デジタル水準器
・広い角度範囲が必要な場合 ⇒ MEMSセンサ
となり、小さくて軽いセンサを使って高い精度で水準を出したい場合に気泡式デジタル水準器を選ぶ方が適切です。