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2025.12.02
ロール水平調整用水準器への応用
今回はデジタル水準器の応用についての話です。
水準器は一般的には水平の面を検出するイメージがあると思いますが、「ロールの軸」を調整するために使用することも可能です。
薄いシート状のものを搬送する「ロール」は様々な業界で用いられます。例えば、
■ 印刷業界
・新聞、包装材などの印刷
■ 製造業
・圧延加工:鉄鋼などの金属材料をロールの間に通し圧力をかけて薄く延ばす加工
・搬送: ベルトコンベアなどで材料を運ぶ
・成形: 板材を曲げて筒状などに加工
・材料加工: ゴムや樹脂を伸ばして薄いシート状に加工
■ 製紙業界
・各工程での処理や搬送
などがあります。

近年、設備の大型化・高速化・精密化が進み、製品の高機能化に伴って、ロールの据え付けや調整にはより高い精度が求められるようになっています。
ロールの水平度や平行度が不十分な場合、搬送物が蛇行したり、シワや絞り、破れ、厚みのムラなどの品質不良が発生する可能性があります。
また、搬送不良により、ロールに想定外の力が加わり、振動の発生により摩耗が進み、設備の寿命が短くなることもあります。
そのため、ロールの正確な角度調整は、製品品質の向上、生産性の向上、メンテナンスコストの削減に直結する重要な作業です。
水準器を用いた実際の作業としては、水平ロールの上に水準器を水平に置き、水準の値を確認し、水平からずれている場合は調整ボルトなどでロールの軸の角度を調整する、といったものです。
ロールの水平度を修正することで品質の改善、メンテナンス周期の延長によるコストダウンが期待できます。
特に、複数のロールを使用する設備では、全体の平行度を確保することが不可欠です。
水準器は水平面の確認だけでなく、軸の調整にも応用できるため、精密な調整が求められる現場では非常に有効なツールとなります。ロール設備の精度向上は、製造現場の安定稼働と品質確保に大きく貢献します。
水準器を用いた場合、水準器は水平を検出するセンサであるため、ロールの水平に対する角度(1)とロールの軸回りの回転の角度(2)を計測することができます。

また、測定対象となるロールのサイズは様々であるため、水準器のセンサ部はカスタム対応が可能です。大型のロールについては、円筒を2本並べたもの、小型のロールに対してはVブロック型でのセンサ部の製作なども可能です。

センサ部についてご希望の形状がありましたら、お問い合せください。
