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2026.05.28

気泡式デジタル水準器とオートコリメータ

水準器は「傾き」や「水平」を測定するために使用されますが、
同様の目的でオートコリメータが使用されることもあります。

今回は、この二つの測定器の違いについて説明します。

1.基本的な違い

項目オートコリメータ水準器
測定対象微小角度(傾き)水平・鉛直
原理 光学反射重力(気泡・液体)
精度非常に高い(秒角レベル) 簡易~高精度
測定方式非接触 接触
主な用途精密機械・光学調整建築・機械据

2.原理の違い

■オートコリメータの原理

オートコリメータは、「光の反射角」を利用して角度を測定します。
原理のイメージとしては、
・内部から平行光を出射する
・ミラーに光を当てる
・反射光を受光する
・戻ってきた光の位置ずれから角度を計算する
というものです。

反射鏡がわずかに傾くと、反射光はその2倍の角度でずれます。

θ_reflection = 2 θ_mirror

この性質を利用して、超微小角度を高精度に測定します。

特徴
・数秒角〜0.1秒角レベルまで測定可能
・非接触測定が可能
・長距離測定に対応
・光学系の調整が必要

■水準器の原理

一方、水準器は「重力方向」を利用して水平を測定します。
液体中の気泡は常に上方向へ移動するため、気泡の位置から水平状態を判断します。
気泡管水準器は、曲率を持った管の中に液体と気泡が封入されており、
傾くと気泡が移動し、気泡が中央に来た状態が水平、となります。

3.長所・短所

それぞれの長所と短所は以下のようになります。

■オートコリメータ
長所
・超高精度測定が可能
・非接触で測定できる
・微小角度変化の検出に優れる
・真直度・平面度測定にも使用可能

短所
・高価
・光軸調整が必要
・振動や空気の揺らぎの影響を受けやすい
・ミラーが必要
・操作難易度が高い

■水準器
長所
・安価
・使いやすい
・現場作業に適している
・頑丈

短所
・微小角度測定は苦手
・温度の影響を受ける
・長距離測定には不向き

4.用途の違い

用途は傾向として、オートコリメータの方が、より精度を求められる場面で使用されます。

■オートコリメータの用途
精密機械分野
・工作機械の真直度測定
・回転軸の振れ測定
・ステージ角度校正
光学分野
・レンズの芯出し
・ミラー角度調整
・望遠鏡調整
半導体分野
・精密アライメント
・ナノレベル位置調整

■水準器の用途

建築分野
・床の水平確認
・柱の鉛直確認

機械据付
・工作機械据付
・定盤の水平調整

5.精度の比較

普通の水準器 0.5〜1 mm/m
精密水準器 0.02 mm/m
オートコリメータ 数秒角以下(0.005 mm/m以下相当)

6.使い分け

水準器は、

・「おおよそ水平でよい」場合
・現場作業
・簡便さを重視する場合
・据付作業

などに適しています。

一方、オートコリメータは、

・μmレベルの精度が必要な場合
・微小角度評価
・光学調整
・精密測定

などに適しています。

また、精密機械分野では両者を併用することもあります。
例えば工作機械据付では、

 水準器で大まかに水平出しを行う 
 オートコリメータで微小角度誤差を評価する

という使い方が行われます。

弊社デジタル水準器が適している場合など、
ご用命、ご質問がありましたら、ご遠慮なくお問合せください。